2017.5.7
【熱くもなく、冷たくもなく…燗酒の魅力その2】
みなさーん、こんにちわ。 店主の石田です。 昨日に引き続き燗酒の魅力に迫ってみたいと思います。~温度帯ごとに味わいはどう変化するの?~ 日本酒が美味しく感じる温度帯は キンキンに冷えた日本酒から、カンカンに熱くなった日本酒までさまざまです。 では温度の変化によって、どのように味わいが変化するのでしょう? 例えば、冷凍庫にあったアイスを食べます。 冷たいときは美味しく感じたのに、ドロドロに溶けたアイスを食べたら、強い甘みを感じたことはありませんか? また、冷蔵庫にあったキリリと冷えたビールを飲みます。 冷たいときは美味しく感じたのに、ぬるくなったら、苦味が増して、ぼやけた感じがしませんか? 実はどちらも、温度変化によって、感じ方が変わったからです。 日本酒も温度を変えることによって、香りや飲み口、味わいが変化していきます。 ではどのように変化するのでしょう。 まず、冷酒に向いているお酒だからといって、何でもかんでも、キンキンに冷やせば良いわけではありません。 また、燗酒に向いているお酒だからと言って、何でもかんでも、カンカンに熱くすれば良いわけでもありません。 それぞれに、美味しいと感じる温度帯があります。 冷やすことによるメリット、デメリットがありますし 温めることによるメリット、デメリットがあります。 それを探っていきましょう。 ◎甘味 冷やすことによって、スッキリしますが、感じにくくなります。 温めることによって、広がりますが、くどくなります。 ◎酸味 冷やすことによって、シャープになりますが、刺激が強くなります。 温めることによって、柔らかくなりますが、ぼやけきます。 ◎旨味 冷やすことによって、軽やかになりますが、感じにくくなります。 温めることによって、膨らみますが、くどくなります。 ◎飲み口 冷やすことによって、キリッとしますが、固く感じます。 温めることによって、滑らかになりますが、締りがなくなります。 ◎香り 冷やすことによって、爽やかなになりますが、閉じて感じにくくなります。 温めることによって、開いていきますが、ぼやけていきます。 これを踏まえた上で、日本酒を適温に温めると 香りが広がり、飲み口が滑らかになり、甘味が広がり、旨味が増します。 5℃に冷えていたお酒を10℃に上げるのも 20℃の冷やを40℃のぬる燗にするのも同じです。 それぞれに美味しいと感じる温度帯がありますので、色々と試してみるのはいかがでしょうか? 同じお酒でも、違った味わいを感じさせてくれます。 また、日本酒には『燗冷まし』という飲み方があります。 一度熱めにつけた燗酒をゆっくり冷ます飲み方です。 60℃くらいまで熱くすると、日本酒が本来持っている旨味や香りが全開し、輪郭がしっかりします。 そこから、徐々に温度を下げていくと、口当たりまろやかで後味のキレがいいお燗酒が楽しめるわけです。 温度が下がる過程で、自分が美味しいと感じる温度で飲みばよいのです。 更には『急冷燗』という飲み方もあります。 今度は60度まで熱くしたお酒を、氷水に落として、急冷させます。 すると、あら不思議、輪郭がしっかり残ったまま冷えたお酒になります。 お酒は楽しみ方が色々あります。 氷を落としてロックスタイルにしても良いですし、ライムを落としてカクテル風にしても良いです. ソーダ割りもありですし、ブレンドして飲む人もいます。 日本酒は、必ずこうして飲まなければいけないというわけではないので、自由に楽しんでみて下さい。 本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。