2017.4.5
【なぜ日本人は辛口を好むのか?~最終回~】
みなさーん、こんにちわ。
店主の石田です。 久しぶりに濃い内容を連載しております。【なぜ日本人は辛口を好むのか?】 いや、好んでいるより、それしかなかった… というお話が1日目(←こちらからどうぞ) そして、辛口とはどんな味わいなのか… と言ったお話が2日目(←こちらからどうぞ】 そして3日目。 そもそも、なぜ日本酒の味わいを『辛口』と表現するようになったのでしょう? そのために歴史のお話をしました。(←こちらからどうぞ) いよいよ最終回です。 『なぜ日本人は辛口を好むのか?』の核心に迫ります。 歴史上やむを得ず生まれた三増酒が戦後もたくさん流通しておりました。 この三増酒は甘くベトベトしています。 飲むと頭が痛くなり、気持ち悪くなります。 そして、この酒に対抗するために、昔ながらの酒造りをしている蔵が 『本格辛口』 という表現でTVでCMを流したのです。 これがヒットし、 『辛口=上質で美味しいお酒』 というイメージが持たれるようになりました。 特に、甘くベトベトしていた酒に、うんざりしていた飲ん兵衛たちには、大好評でした。 水のようにさらっとした酒が人気を集め 『淡麗辛口』 という酒がブームになったのです。 こうなると、 『右倣えが大好きな日本人』は もう猫も杓子も…辛口、辛口…(苦笑) このような背景から「辛口」という日本酒の味覚表現が一般消費者にも浸透していったわけです。 この端麗辛口の時代が続くと、『辛口』が本当に美味しいと思っているのではなく いや、『辛口』がどういう味であるかも知らずに 『辛口が旨い酒』 と刷り込まれている、思い込んでいる方が、一定数でてきます。 『辛口は旨いらしい…』 という噂を聞く人も出てきます。 一種の刷り込みと言ってもいいでしょう。 これを洗脳と言います。(笑) これが、今回のテーマである 【なぜ日本人は辛口を好むのか?】 の答えです。 好んでいるのではなく、そう思い込んでいる人が一定数いるのです。 ここで、あえて申し上げますが、『辛口』が美味しくないと言っているわけではありません。 『辛口=甘くない酒』は、口の中をさっぱりさせてくれます。 そして、特に和食は魚料理が多いので、生臭みを取り除いて美味しくしてくれる効果も高いです。 口の中をリセットして、フラットな状態で次の料理を楽しむことができます。 私は、辛口の良さを理解せずに、 『とりあえず辛口を下さい』と言っているところに問題があると指摘したいのです。 さあ、洗脳を解いて(笑)、新しい日本酒の扉を開けようではありませんか!! 本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。