降りてゆく生き方

新宿での接待、こだわりの日本酒は新宿御苑こころむすび店主の想い出逢い降りてゆく生き方
2012.3.27

降りてゆく生き方

こんにちわ。こころむすびの石田です。 先日、映画『降りてゆく生き方』を見てきました。 実はこの映画、一切宣伝せず、劇場公開もせず、テレビ放映もなし、DVD化もなし にもかかわらず、市民有志による自主上映で3年ものロングランとなっています。 上映会場にはプロデューサーが自ら足を運び、観客と対話する型破りのスタイルで、 毎回ほぼ、満席、今でも自主上映の順番待ちらしい。 私もこの映画の存在を知ってから、1年ぐらいになるのですが、ずーっと地方上映ばかりで、 東京での上映がなかったので、首を長くして待っていたのです。ようやくです。 内容は、武田鉄矢さん演じるデベロッパーが開発目的で過疎の集落を訪れるが、 そこで人々とふれあい、自然と調和した生き方に目覚めていくというシンプルな内容です。 モデルになったのは、『奇跡のリンゴ』で有名になった、 青森で無農薬、無肥料でリンゴを栽培している木村秋則さん、 千葉で無農薬米で酒を昔ながらの製法で醸している寺田本家さんなど 効率重視の大量生産からは一線を画す人たちです。 いままで、日本人は物質的豊かさを求めて、効率重視の大量生産をしてきました。 みんな『登ってゆく生き方』をしてきました。でも、その結果どうでしょう? 世界的な金融不安、かつてありえない凶悪犯罪、少年犯罪、毎年3万人を超える自殺、 うつ病の激増、格差社会… だからこそ、今だからこそ、『降りてゆく生き方』なんだと思います。 私が社会人になりたての頃、開高健の本を読み、「男の顔は履歴書である。男は今までどんな経験をし てきたかが、年を取った時の顔の表情に表れる」 と書いてありました。 そうかぁ、ならば、私は20代で種をまき、30代で水をやり、40代で花を咲かせ、 50代で実を生り、60代で、後世に伝える種をまこう と人生設計していました。(笑) だから20代のころは、40歳になったら、バリバリに稼いで、いい車に乗って、(笑) と夢を描いていました。そのためには、20代と30代は下積みだから、 馬車馬の如く働いてやろうと。(笑) で、実際、40歳になった今、どうかというと、 20代のころ、夢に描いたとおり、これから花を咲かせます。(やりますよ~!!!) でも、それは『登ってゆく生き方』ではなく、『降りてゆく生き方』で。 40歳になった時、天からお告げがありました。人生80年と考えたら、 もう折り返し地点。今まで、ひたすら、自分だけが喜ぶために生きてきたから、 残り半分は、他人様が喜ぶために生きていこうと。そして、それを自分の喜びにしていこうと。 そう、そのために『降りてゆく生き方』なんです。 そう思うようになったから、この映画に出逢えました。1年前ではまだ時期が早かったのです。 いつも思うんです。 私にとって、必要なものは、必要な時に、必要な形で、私の前に現れると。 全ては必然。 そして、全てに感謝。
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